税理士試験の必須科目である簿記論。
他の科目と比べると少し異質です。
他の科目は計算と理論が半分半分で出題されますが、簿記論は理論無しで計算100%の出題となっています。
計算のみの勝負となるので、理論嫌いな受験生にとっては嬉しい科目かもしれません。
しかし、計算を甘く見ていると合格までに何年もかかってしまうことだってあります。
そんな簿記論ですが、合格のためにやるべきことは一つしかありません。
そして、それは誰もが既にわかっていることなのです。
ひたすらの問題演習
「そんなことわかってるわ!」と言われそうですが…。
本当にこれに尽きます。
当たり前のことを継続できればよいのです。
これをせずに合格できる人はいません。
問題を解けば解くほど、合格に近づくと言っても過言ではありません。
そのためには、学校で配布される問題集のみでなく、市販の問題集にも積極的に手を出すべきです。
1問でも多く問題を解いてやるという気持ちで勉強するのです。
受験専念の受験生なら、2時間の問題でも1日に3~4問は解くことができます。
計算ばかり解いていると理論が恋しくなるかもしれません。
しかし、計算問題を解くしかありません。
それが簿記論なのです。
工夫しながらひたすら解く
ひたすら問題を解き続けると言っても工夫が無ければ、その努力は効率の悪いものになってしまいます。
たくさんの問題に触れていれば似たような問題も数多く出てきているはずです。
前回解いた時の経験を生かして、何か少しでも ”スピードアップ” や ”ケアレスミスを減らす” ためにできることはないかを考えながら解くべきです。
メモを工夫したり、問題を読む順序や線の引き方を変えてみたり、などなど改善点はいくらでも出てくるでしょう。
そして、思いついたことをどんどん試してみるのです。
そのための問題演習でもあります。
試験直前期にはこんなことをする余裕も無くなってきますので、なるべく早いうちから自分独自のやり方を研究して問題演習に取り入れていくのが良いです。
これをするかしないかで、問題演習を解き続けた時の成長具合は全然変わってくるはずです。
時間のある受験専念の受験生は特に陥りがちですが、解いた問題の多さだけを気にして改善点の研究を怠っていては非効率です。
保守的な問題演習ではなく、攻めの問題演習を心掛けましょう。
下記の記事が計算の工夫の参考になります。
働きながらの受験生には不利!?
働きながらの受験生はすき間時間をうまく使って、受験専念の受験生と戦うこととなります。
しかし、上記のように簿記論は問題演習が主な勉強方法となるので、机に向かっての勉強が必須となります。
通勤途中や食事中、お風呂の中などのすき間時間を使っての勉強は難しいのです。
(テキストを読むことくらいしかできません)
必然的に、休みの日に問題演習をするしかないので、毎日問題演習ができる受験専念の受験生に比べると演習不足になってしまいます。
それでも、働きながらの受験生が受験専念生と戦おうとするなら、
”出勤前に早起きして問題演習をする” ”帰宅してから寝るまでに問題演習をする”
ということを毎日欠かさず行うしかありません。
そして、”1回1回の問題演習に本気で取り組み”、
少ない問題演習からも確実に勉強の成果(工夫や改善点)を得るということが重要となってきます。
働きながらの受験生は、地道な努力と工夫で演習不足をカバーするしかないのです。
同時受験するなら
やはり財務諸表論です。
計算はほとんど同じような内容ですので、簿記論の計算さえしっかりとやっておけば、財務諸表論の計算には難なく対応できてしまいます。
理論についても、会計科目同士の相乗効果で簿記論の勉強に役立つ場面も出てきます。
なので、むしろ簿記論のみ受験よりも、財務諸表との同時受験の方が良いかもしれません。
一方、税法科目との同時受験はあまりおススメはできません。
簿記論はそうでなくても計算演習に時間がかかってしまうので、税法科目の計算演習や理論暗記との勉強時間配分の調整はかなり難しいです。
それでも税法との同時受験を考えているなら、
簿記論はかなり早い時期(3月くらいまで)にはほぼ完成させてしまい、残りの期間は税法科目メインで勉強するという方法なら何とかなるかもしれません。
終わりに
簿記論は簡単だと思っても、案外つまずいてしまう受験生も多くいます。
合格するためにやるべきことは問題演習のみというわかりきった答えがあるのですが、それが案外難しいのかもしれません。
わかりきったことでも、そこには工夫や改善の余地はきっとあるはずです。
他の受験生に勝つためにはそうしたことを少しでも多く見つけることが大事なのです。