色々とメリットの多い振替納税。
まだ利用していないという方は、是非とも利用すべきです。
新たに振替納税を始める場合には届出が必要なので早いとこ手続きをしてしまいましょう。
ところで、新たに振替納税を始める場合の届出期限っていつなのでしょうか。
気になるのは予定納税分から振替納税を開始したい場合の届出期限。
今回は、振替納税が開始されるタイミングのお話です。
振替納税とは?
簡単に言うと、口座引き落としによって納税ができる便利なサービスです。
所得税と消費税(個人事業者のみ)についてのみ、利用できます。
(詳しくは国税庁HP)
1度手続きをしておけば毎年自動的に引落しがされて、納付に行く手間が省けてとても便利です。
しかも、メリットはそれだけではありません。
なんと納税時期を1か月ずらせるのです。
どういうことかと言うと、
通常なら所得税の納期限(確定申告分)は3月15日ですが、振替納税の場合には4月下旬が口座振替日となるのです。
およそ1か月納税が遅くなるので、資金繰りが苦しい人にとってはありがたいサービスです。
振替納税のための手続き
振替納税を開始するためには、「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」という書類に銀行印を押して税務署又は金融機関に提出する必要があります。
こんなのです↓
では、いつまでにこの書類を提出すればよいのでしょうか。
所得税の確定申告分について
納税期限(=申告書の提出期限)である3月15日が届出期限とされています。
口座振替されるのが4月下旬なので、1か月ほどの余裕があります。
〇確定申告
納税期限…3月15日
口座振替日 …4月下旬
この間に税務署は銀行との調整をするのでしょう。
もし銀行印に相違があったら、税務署から連絡が来て再提出となります。
所得税の予定納税分について
予定納税分についても同様に納税期限が届出期限とされていますが、ここで疑問が。
予定納税の場合、納税期限と口座振替日が同じなのです。
〇予定納税1期
納税期限…7月31日
口座振替日 …7月31日
つまり、振替納税の届出期限である7月31日に振替納税の届出をしても、絶対に口座振替が間に合うはずはないのです。
今回たまたま予定納税(1期)から振替納税を開始したいという顧問先があったので、気になるこの疑問を税務署に聞いてみました。
予定納税1期の口座振替(7月31日)に間に合わすためには、
「税務署に書類を提出するなら6月中には提出して欲しい。もし印鑑に相違があれば再提出が
必要となり、処理が間に合わないので。」
「金融機関に直接持ち込むなら、7月の第1週くらいまでなら大丈夫。その場で印鑑の確認ができるので。」
という回答が得られました。
やはり口座振替の手続きには1か月くらいの余裕が必要なようです。
さらに後日、予定納税1期の納期限直前(7月末頃)に、このタイミングでも振替納税の届出ができるかどうかを電話で確認してみました。
「振替日直前のこのタイミングで振替納税の届出をしてもらっても、振替が間に合わないので今回分については納期限までに納付書での納付をしてください。」
とのことでした。
国税庁HPに、「振替納税を利用される場合は、利用される税金の納税期限までに、所轄税務署又は口座振替を利用する金融機関に口座振替の依頼書を提出していただく必要があります」
との記載がある旨についても軽く聞いてみましたが、
「銀行との調整で振替が間に合わない」
との1点張りでした。
つまり、予定納税の場合には届出期限はかなり曖昧ということのようです笑
振替納税の注意点
納税時期を後ろにずらせて、しかも口座から自動的に納税できてしまうという便利な振替納税ですが、注意点が2つあります。
1つは「通帳の残高不足に注意!」ということ。
これは当たり前ですね。
電気代や水道代、クレジットカードの引き落としと同様に、振替納税についても通帳の残高不足については気を付けてください。
もし、残高不足で振替不能となってしまった場合には延滞税がかかってしまいます。
※参考「国税庁HP(振替納付日について/期限内に納付できなかった場合は)」
振替納税については、年に数回なのでかなり忘れやすいです。
できれば、資金が潤沢にある口座を振替口座にしておくべきでしょう。
もう1つの注意点は、「引っ越しをして所轄税務署が変わった時には再度手続きが必要!」ということ。
住所が変わった際には税務署に納税地の異動届出を提出しなければなりませんが、それと併せて振替納税については新たに手続きが必要です。
不便なことに、振替納税は税務署間で引き継がれないのです。
この手続きを忘れていると口座振替はされず、税金は未納(=延滞税発生!)となってしまうのでご注意ください。
終わりに
今回気になった、予定納税分から振替納税を利用したい場合の届出期限ですが、かなり曖昧ということがわかりました。
とりあえず、振替納税を利用したいなら早めに手続きをすべきということですね。