ようやく3月15日も過ぎて、確定申告の繁忙期も終わりました。
開業後初めての確定申告でしたが、そこそこの忙しさで、いっぱしの税理士らしくこの時期を過ごせたような気がします。
そんな中、税理士会の業務で確定申告相談会場で仕事をしたのですが、これが中々大変でした。
今回は、そんな「申告相談会場での業務」のお話です。
2種類の相談会場で従事
伊丹市の税理士は、2種類の会場で申告相談業務に従事することになります。
1つは税務署主催の会場
これは伊丹市立産業情報センターの6階で行われる大規模な相談会場です。
2/16~3/15までの間、毎日千人近くの人が申告相談に訪れるので、会場は人でごった返しています。
朝から順番待ちの行列ができ、2~3時間待ちは当たり前。
噂によると、月曜日が混みやすく金曜日が比較的狙い目らしいのですが、わたしにはいつ来ても混んでるようにしか見えませんでした…。
そしてこの会場での相談業務で辛いのは、立ちっぱなしということ。
9時半~16時までの間、昼休憩以外はずっと立ったまま申告相談を受け続けなければならないのです。
相談内容は年金や医療費控除、ローン控除が大半で、流れ作業的にこなしていけるのですが、それはそれで何十人も対応しているとかなり疲れます。
中には待たされ過ぎてキレ気味の人もいますし、こちらを税務署の職員と勘違いして高圧的で偉そうな態度の人もいたりします。
一方で、簡単な相談だったのに物凄く感謝してくれる人がいたり、去り際に丁寧にお礼を言ってくれる人もいたりします。
こちらも人間ですので、感謝されれば励みになりますしやり甲斐も感じるものです。
そんなこんなで、今回は9日間この業務に従事しました。
はっきり言って労力の割には報酬は多くありませんが、色んな納税者の相談を聞くことで勉強にはなったはずです。(ただ、来年はもう少し日数を減らしてもらうつもりですが…)
もう1つは納税協会主催の会場
これは伊丹納税協会の2階で行われる小規模な相談会場です。
基本的には納税協会の会員が無料で利用できる申告相談なので、人数は知れています。
税務署主催の会場とは違い、多くても1日30人くらいです。
そして、こちらの会場は座ったまま相談を受けることができるのです。
(しかもお茶の支給もあります!)
税務署主催に比べるとかなり良い待遇…。
相談者が納税協会の会員ということもあり、相談内容は事業所得の申告についてが大半なのですが、多くの方が既に申告書をほとんど仕上げた状態で持ってきており、あとは最終確認だけという場合も多かったです。
また、備え付けのパソコンを自由に使って作業できるので、申告書を作って印刷したり、調べ物をしたりといったことも柔軟にでき、非常にやりやすかったです。
基本は予約制なので納税者の方の待ち時間も少なく、穴場の申告相談会場だと言えます。
税務署主催の相談会場で待つくらいならこちらに来ればいいのにと思ってしまいます。
納税協会の会費も年間数千円とお手頃価格なので、待ち時間を考えると検討の余地はあるのではないでしょうか。
住宅ローン控除に強くなった
税務署主催の会場では、本当にこの相談が多かったです。
特に若い夫婦での相談者はほぼ100%、ローン控除についての相談でした。
しかしこのローン控除の申告が結構面倒くさいのです。
会場のシステム上、手書きでローン控除の明細書を書かなければならず、いつも税務ソフトで入力するのとは勝手が違うので最初は戸惑ってしまいました。
(ソフトのありがたさをほとほと感じます…)
またローン控除と言っても、認定住宅だったり、連帯債務だったり、持分が違ったり、過去3年分まとめてだったりと色んなパターンがあって、色々と勉強になりました。
こんな実務書も売っているようですが、自分のクライアントでは滅多に使うこともないので買うほどのものでもないかなと…。(あったら便利そうだけど…)
住宅ローン控除・住宅取得資金贈与のトクする確定申告ガイド(平成30年3月申告用) [ 塚本和美 ]
数百円の還付でも…
相談会場には年金受給者の方もたくさん来ていました。
年金収入だけの場合、申告不要であることが多いのですが、還付を受けるために敢えて確定申告をしに来ているのです。
しかし、数万円の還付ならわざわざ相談会場に足を運ぶ甲斐もあると思うのですが、多くの場合は数千円、中には数百円の還付を受けるためだけに相談会場に来ている人もいました。
数時間も待たされる労力を考えると、何だかなぁと思ってしまいます…。
もっと言えば、還付なら基本的には3/15の期限は関係ないので、空いてる時期に直接税務署に行けばいいのに…。
確定申告の意味を分かっていない人も…
これだけたくさんの納税者の相談を受けていると中にはびっくりするものもあります。
ある人は、医療費の領収書だけ持ってきており、どさっと渡してきました。
それで医療費が返ってくるものだと誤解しているのです。
返ってくるのはあくまでも税金なので、給料の源泉徴収票が必要ということをお伝えしました。
何時間も待ったのに、結局何もできずに帰ることになり気の毒なのですが、どうしようもありません。
せめて少しくらい調べてから来てほしいと思ったりもします。
終いには風邪をもらって…
千人以上の人でごった返してしている会場なので、当然風邪引きの人もいるんです。
確定申告真っ只中の時に風邪をもらってしまいました。
相談会場で2日連続働いた次の日に高熱が出たので、もう原因はこれで決まりでしょう。
相談会場ではしゃべり続けなので、喉を酷使しているというのも風邪をもらいやすい原因なのかもしれません。
強がってマスクをしていなかったのも悪かったかもしれません。
この時期に風邪を引くことのヤバさがよくわかったので、来年への教訓として覚えておきたいと思います。
終わりに
今回、申告相談会場で従事したのは10回ほどでしたが、普段とは違い、数多くの納税者が相手の相談だったので中々疲れました。
しかし、伊丹市という土地柄、穏やかな納税者が多く、まだやりやすい方だったのではないかと思います。
お金(税金)が絡むと人は変わってしまうもの。
地域によってはきっと殺伐とした申告会場もあるのでしょう。(恐っ)
税務署の職員は常日頃からこんな大変なことをしているのかと感心してしまいます。
公務員になるとしても、税務署の職員にだけはなりたくないと思ってしまう今日この頃なのでした。