法人の登記ってややこしいので、専門家(司法書士など)に依頼するしかないと思っていませんか。
実は登記にも色々と種類があって、中には自分で簡単にできる登記もあるのです。
わたしも先日、自分の会社で登記が必要となったので、ちゃちゃっと自分で登記してしまいました。
今回は、簡単にできる登記のうち”役員変更登記”と”代表者変更登記”をやってみた話です。
自分で登記した場合の労力と費用!
まず気になるのがこれでだと思います。
自分で登記した場合にはどれほどの労力や時間がかかるのか?
これ次第では、専門家に任せた方が良いかもしれません。
専門家に任せると、自分でやるよりもプラス2~5万円の費用がかかるので、これと労力が見合うかどうかということです。
今回の登記で実際にかかった時間は半日ほど。
しかし、やり方を調べるのにかかった時間が大半で、それを省けば実質1時間もあればできてしまいました。
つまり、1時間の労力に対して2~5万円の費用を払えるかということです。
逆に、自分でやれば1時間で2万円~5万円がもらえる(払わなくて済むので)ということ。
よっぽど忙しいなら専門家に任せてもいいかもしれませんが、時給2万円以上で働いていない限りは自分で登記した方がお得ですね。
時給2万円→日給16万円→月給320万円なので、そんな高給取りは滅多にいないでしょうし笑
では、実際にどれほど簡単な作業なのかを見ていきます。
必要書類は自分で簡単に作成・収集できる!
まずは今回の事例です。
合同会社〇〇
「元々の社員(A氏)からの持分譲渡によって新社員(B氏)を追加して、その新社員(B氏)を代表社員にする」
<登記変更前>
代表社員はA氏のみ。社員はA氏のみ。
<登記変更後>
代表社員はB氏のみ。社員はA氏とB氏。A氏は代表社員から外した。
必要な書類は次の7つです。
①合同会社変更登記申請書
②定款
③総社員の同意書
④職務執行者就任承諾書
⑤辞任届
⑥印鑑届出書
⑦印鑑登録証明書
以下、詳細です。
下記Wordファイルを加工して使えば、自分で簡単に書類が作れますよ。
①合同会社変更登記申請書
変更登記の申請書です。
法務局のHPにWordファイルがあるので、それを基に作りました。
これに1万円の収入印紙を貼り付けて申請します。
印紙は消印しないようにしましょう。
また、印鑑を押す場所(契印も必要)にも注意しましょう。
②定款
会社設立時に作ったものがあるはずですので、それをコピーしましょう。
そして、ホッチキス止めして製本します。
それぞれのページの間には契印をしましょう。
また、最終ページには「原本と相違ない旨」を手書きします。
こんな感じで。
③総社員の同意書
社員の加入と代表社員の変更との2つが必要です。
それぞれ個人印を押しましょう。
④職務執行者就任承諾書
個人印を押しましょう。
⑤辞任届
これは会社の印鑑を押します。
⑥印鑑届出書
法務局のHPにPDFファイルがあるので、それを基に作りましょう。
こんな感じで。
⑦印鑑登録証明書
新たに代表社員になる人の印鑑登録証明書が必要とります。
市役所に取りに行きましょう。
発行手数料は300円です。
マイナンバーカードを持っていれば、コンビニで簡単に取ることもできます。
提出は郵送でOK!
必要書類の作成・収集が完了したら、あとは法務局へ提出するだけ。
提出は郵送でも可能です、と言うよりも郵送でしましょう。
そもそも法人登記ができる法務局の場所は各都道府県で限られているので、直接持って行くとなるととんでもなく移動時間を取られてしまうのです。
ちなみに、兵庫県内の法人はすべて神戸地方法務局に提出が必要なので、日本海側の法人はわざわざ持って行こうと思うと1日仕事になってしまいます。
郵送で提出した場合には、不備があれば電話で連絡してくれます。
なので、登記申請書には必ず連絡先の電話番号を書いておきましょう。
書類不備の場合には、追加書類の提出が必要になったりしますが、それも郵送で対応可能です。
あとは登記完了を待つだけ!
不備がなければ、提出から1~2週間程度で登記が完了します。
登記が完了すれば、登記事項証明書(いわゆる登記簿謄本)を法務局(支局でも可)で取得(郵送でも可)することができます。
また、今ではネットで登記情報を確認することもできます。
情報を見るだけならネットの方が便利です。
不備を恐れない!
登記なんて普通の人ならやったことがないでしょうし、滅多にやることでもないので最初から1発で登記を成功させようと気負わないことです。
法務局によってはローカルルールなんてものもあるようですので、素人にはミスは不可避です。
かく言うわたしも今回、不備のあった書類を追加で提出しました。(辞任届のつけ忘れ)
しかし、不備があったからといってペナルティがあるわけではありません。
不備があれば必ず連絡をくれるので、あとは言われた通りに追加処理をすれば済む話です。
これがお金をもらってやる仕事ならいざ知らず、自分の会社の登記なのでミスを気にせず、まずは気軽に登記申請してみましょう。
誰も文句は言いません。
終わりに
わたしも法人の登記なんて専門家(司法書士など)に任せてしまう方が楽だと思っていました。
しかしやってみると、自分で簡単にできる登記もあるのです。
自分で登記をすれば、2万円~5万円ほどのお金が浮いてきます。
次の登記は是非自分でやってみてはいかがでしょうか。