財務諸表論は税理士試験の科目の中でも最も簡単な科目と言われています。
そして、簿記論と同時に最初に勉強することが王道で、税法へ進むための登竜門となっています。
しかし、私の場合はこの科目を最後まで残していました。
(初年度に受験はしましたが、勉強はしていませんでした。これについては別記事に記載予定)
そして、最後に受験してやっぱり思うのですが、財務諸表論は一番簡単です。
これを最終科目として勉強できたのは気持ち的にとても楽でした。
また、官報も心穏やかに待つことができます。
簡単な理由
財務諸表論は簡単簡単と言われますが他の科目とは具体的にはどう違うのでしょうか。
少し考えてみました。
理論の完璧な暗記は不要
理論のテキストは2冊あってページ数もかなりのものになります。
最初にテキストをもらった時は「税法科目よりも多いがな!」と少々驚きました。
しかし、実際に授業が進んでいくとそのテキストは読み物のように使われて、暗記が必要となるのはその一部だけ。
さらに、暗記が必要な部分も一言一句覚えなければならないのではなく、内容が間違っていなければ自分の言葉で書いた文章でも十分に正解にしてもらえるようなものでした。
そして、税法では考えられない「穴埋め問題」が必ず出題される(記号問題のこともある!)ことにも驚きました。
税法の理論をやってきて一言一句の長文暗記に慣れていたので、最初は戸惑いましたが、ウル覚えの理論でもなんとなく覚えていることを書けば点数がもらえるので気楽に勉強できました。
計算は簡単な所を正確に解けばよい
計算問題は毎回出てくる簡単な部分があるのでその部分を慌てず正確に解答すれば半分くらいは簡単に点数が取れます。
また、計算パターンはそれほど多くないので、大抵は一度解いたことのある問題と似たようなものが出題されます。
近年では計算の難度が高くなってきているようですが、上記の「簡単な部分」「解いたことがある部分」を見つけ出して解答すれば、十分合格点を取れます。
周りはみんな税理士試験初心者
多くの人はまず税理士試験の最初の科目として財務諸表論を選びます。
ですので、必然的に税理士試験初心者の人、そして税法を経験していない人が受験します。
また、税理士試験がどんなものなのか試しに受けてみる人もいたりと、とにかく受験者数が多いです。
そして、大原の授業を受けて思ったのですが、教室での授業の緊張感も全然違います。
税法の授業ではみんな必死に授業を聞いていて、ピリピリした感じでした。
(そして、仕事帰りの人が多い)
一方、財務諸表論は授業中に居眠りしている人や、サークル帰りの大学生みたいな人もいて大学の講義みたいな雰囲気でした。
ですので、受験者数が多くても、最終的な競争率は低くなっているようです。
終わりに
簡単な財務諸表論を最初に受験することはそれなりにメリットもあります。
最初に受験して税理士試験の雰囲気に慣れることもできますし、合格して税理士試験の科目合格者を名乗ることもできます。
しかし、知っておいて欲しいことは「税法ははるかに難しい」ということです。
財務諸表論のような気持ちで税法も勉強していたら確実につまずきます。
ギアを上げて、覚悟を持って勉強しなければ太刀打ちできません。
財務諸表論はスムーズに合格して、税法にじっくり取り組むのが理想的なのかもしれません。